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Chanson douce: 2017年 ゴンクール賞受賞作

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「Chanson douce」という本を読みました。この本は、もう日本語訳本「ヌヌ、完璧なベビーシッター」というタイトルで出版されています。

最初フランス語で読んでいたのですが、途中から早く読みたくなって、日本語で読んでしまいましたが、とても興味深かったです。

 

この本は、フランスで2017年のゴンクール賞をとっています。ゴンクール賞とは、作家に与えられる一番由緒ある賞で、日本でいえば芥川賞のようなものでしょうか?この賞をとっている女性作家はとても少なく、レイラ スリマニが歴代4人目になります。さらに30歳での受賞は最年少だと思います。しかも、モロッコからの移民、さらに。。。ものすっごく可愛いのです💕

新しもの好きなマクロン大統領は、レイラ スリマニにフランコフォニー大臣を任命しました。

 

そんなレイラ スリマニのシャンソン ドゥースですが、「赤ん坊は死んだ。ほんの数秒で事足りた。」という出だしで始まります。ヌヌ、つまりベビーシッターが2人の子供を殺し、自分も自殺しようとしたというところから、物語がスタートします。

 

ストーリーはサスペンス風に進んで行くのですが、サスペンスではなく、あくまでもフランス社会の矛盾や歪みなどを描いた内容になっています。個人的にはサスペンス仕立てで、ヌヌがどうして2人を殺すに至ったかのプロットなどあるとスッキリするのですが、そこはなく、あくまでも読者に委ねる感じになります。

 

私もアジアの某国に住んでる際、ヌヌを雇っており、その関係上、少なからずも不安を感じることはあったので、この話の結末に言いようのない恐ろしさを読み進めるうちに垣間見ることがありました。文章は若干難しいような気がしますが、本自体が短いのでB2レベルだと思います。

 

レイラ スリマニの前作は、セックス依存症の話でしたので読んでいませんが、次回作、読んでみたいです。