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絵本: CHEN Jiang Hong の「小さな漁師と骸骨」

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 今回は絵本を紹介します。日本で言えば、小学生1〜3年生向きくらいです。

それくらいの対象で、日本の絵本で好きなのは、スーホーの白い馬、ウェズレーの国、おしいれのぼうけん、モチモチの木などですね。絵も話の内容もとっても好きです。

 

この墨絵を基本にした、あまり色を使わない絵の中で、とても生き生きとしたダイナミック挿絵が印象的でした。また、中国人作家でありながら、インターナショナルに活躍する作者の絵は異国情緒を感じられました。

 

あらすじ

小さな漁師は街中の海沿いの小さな家に1人で住んでいる。ある日漁に出かけた。空が暗く、嵐が来そうだった。少年は以前父が言っていた事を思い出した。「空が墨色の日にゃ、漁に出てはいけないよ」しかし、少年は漁に出て、嵐に巻き込まれる。その時、海から骸骨が現れた。少年は骸骨を突き飛ばし、沖に向かって必死に漕いだ。だが、舟に骸骨がしがみついていた。

少年は岸に着き、そこで骸骨を見て気を失ってしまう。骸骨は、少年を彼の家まで運び看病するが、自分の骸骨の姿を鏡で見て、ショックを受け、家の外でうずくまってしまう。気を取り戻した少年は、骸骨に食事を与える。残り少ない魚を焼いてあげる。骸骨はむさぶるように食べたのち、立派な漁師の若者の姿に変わる。

その漁師は、以前嵐の日に嵐に巻き込まれ、骸骨になってしまったのだ。彼には家に置いていた息子がいた。その後若者の勧める漁場で、小さな漁師は、今までにないくらいの大量の魚を確保する。父のない小さな漁師と、骸骨になってしまった子のいない漁師は、その後2人で暮らしていく。

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チェン ジャン ホン
1963年中国・天津に生まれる。1979年天津美術学校に入学し、その後難関として知られる中央美術学院に進学。1987年に卒業後、パリのエコール・デ・ボザールに学ぶ。渡航後は、フランスのみならず、イギリス、スイス、ベルギー、イタリア、そして香港など、世界各地と活躍の場を広げる。2007年にはギャルリーためながパリ店にて個展を開き、渡仏20年以来初となる中国での個展でも高い評価を得、現在では世界のコレクターかA注目を集める存在へと成長。 東洋と西洋、伝統と革新の調和を探求するチェンは、墨と油彩を自在に操る独自の技法を確立。ぼかし、滲み、飛沫を重ねあわせ、実に表情豊かな濃淡を生み出す。その静謐な空間は、宇宙の無限の広がりすら感じさせる。現在は、パリにアトリエを構え、「蓮」のシリーズに着手している。

 

筆者の他の絵本

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