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Agnès Ledigの「幸せの少し前」を読破。やっぱり涙が。。。

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以前、途中まで読んでいたAgnes Ledigの「Juste avant le bonheure」を読了したので、紹介します。全327ページ。英訳本、邦訳本共になし。

以前の記事は下で参照してください。

letoilefilante.hatenablog.com

 

本の前半のあらすじは上記のリンク参照

 

この本の半分くらいのところで、主人公シングルマザーJulieの3歳の子、ルドビック(Lulu)が交通事故で重症を負い、本の2/3くらいのところで、死んでしまいます。

Luluがまさか死んでしまう展開になるなんて、思ってもなかったので、涙でそのあとが続けて読めなくなりました。

シンプルな文体、たまにポエムのような散文を挟みながら、主人公の気持ちを手に取るように描写してるため、非常に感情移入してしまいます。

 

後半の1/3は、その信じられないような、究極のどん底から、主人公がどのように日常を取り戻し、Luluがいない日々をどのように受け止めていったのか。そして、幸せを感じるようになるまでの事が、短い章とエピソードを挟みながら、描かれています。

 

JulieはPaulからのサプライズで引越しをさせてもらい、

Romainと共に山登りを始め、

Paulにプレゼントしてもらったピアノを弾き始め、

思いやりのあるジネコ(助産婦)に出会い、下の問題も解決章し、

Romainと心を深く通わせ、愛し合うようになり

多くの友達の助けによって、少しずつ日常を取り戻していきます。

 

それから3年。JulieはRomainと一緒に住んでいます。きらいだったレジの仕事をやめ、生物分子学のリサーチャーになります。Luluの妊娠、勘当され絡を絶っていたた実父は死に、実母とはすこしずつ連絡を取っています。そして思い出のブルターニュに出向きます。PaulとManon、JeromeとCaroline、JulieとRomain、大好きな3カップル9人で!なんとそれぞれ同時期くらいに妊娠していたのです。お腹の中のベビーと共に。

 

最後は自分の腕にベビーを抱いて、幸せを感じるJulie

幸せなのは、きっといつもLuluが一緒だから。。。

 

これほどまでに主人公がどん底に陥ってしまう小説は日本にはないんじゃないかと思うくらい、悲しいお話でした。それでもAMAZONフランスでの評価が高いのは、意外にフランス人はこういった暗い話が好きなのではないかと。本を読んで涙を流したいと思っているのかなと思いました。AMAZONフランスで低い評価をした人は、「気晴らしに読もうと思ったのに、何!涙が止まらないじゃない!涙が枯れ果てました。気分を変えたい読書には不向きです」とありました。私も同意します。

 

文章は、単純過去が出て来ないみたいです。基本、現在形で書かれているので、単純過去の心配を必要としません。単語もあまり難しいものは出てきません。でもなんとなく読みにくい感じがします。きっと比喩とか言葉の使い回しなどが馴染みにくいのかなと思いました。

でも、単語と文法の観点からして、中級者にオススメの本です。