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マルク レーヴィの本格サスペンス「恐怖より強い感情」

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Marc Levyの「Un sentiment plus forte que la peur」を読み終えました。

369ページ。英訳本有り「Stronger than fear」、邦訳本無し。

マーク レーヴィの本は読みやすくて、気晴らしに最高という固定観念を覆すような、本格的なサスペンスで、正直、私には読破するのが大変でした。

 

あらすじ

1966年、機密文書を載せた飛行機が、モンブランで墜落する。

スージー ベーカーは、登山家のShimirの元へ弟子にして欲しいとやってくる。彼女はモンブランへの登山にこだわり、まだ未熟だというのに、師であるShimirとともにモンブラン山頂を目指す。途中、雪の割れ目に落ちてしまい、Shimirは大怪我を負う。その谷底から上に上がるのは、大変な困難だった。途中、墜落した飛行機の残骸を見つける。スージーはそこから機密文書を盗み出す。その文書こそがスージーの狙いだった。結局、Shimirはスージーを助けるため、彼女への愛を誓ったのち、自ら綱を切り死んでしまう。

NYタイムズに、命知らずの優秀なアンドリューという記者がいた。図書館で隣り合わせた美人のスージーが気になって仕方がない。彼女をつけまわすうち、彼女が追っている事件に首を突っ込むことになる。スージーは自分の目的を果たすために、わざと命知らずの執念深いアンドリューを巻き込んだのだ。

スージーの祖父は政治的権力者であり、祖母は祖父と国家を裏切ったとして有罪になっていた。逮捕される前日に逃げ出したのだ。スージーは祖母の有罪は嵌められたのだと信じ、身の潔白を証明したいと思っていた。

その後、カナダ、スエーデン、最後は北極へと飛び、祖母の真の目的を知る。アメリカが50年ほど前から進めている極秘の計画を止めることだったのだ。それは、石油を取るために、北極の氷原地下深くに爆弾を仕掛け、少しずつ穴を掘っているというのだ。これは国家の利益と引き換えに、地球温暖化を促進させるだけでなく、下手をすると地球の破壊の助長になりかねない計画だった。

最後、スージーとアンドリューは、北極で決定的な証拠を手にするのだが、アンドリューは公表するのを諦める。この計画には、政治家だけでなく、あらゆる企業や教育機関などが関わっていると知る。スージーは死んだと思ってた祖母に会う。

2人の間に揺れ動く感情はあったが、アンドリューは元妻のValerieと元サヤに戻り、スージーはモンブランに戻り、Shimirの遺体を見つけ、彼の両親に戻す。

 

というのが簡単なあらすじでしたが、騙し、操り、裏切り。。。など、登場人物も色々いて複雑でした。2人の間にロマンスが最終的に生まれなかったのも残念でした。マーク レーヴィの作品は、話の筋がシンプルで、登場人物に感情移入ができたり、読み終わったあと記憶に残る作品が多かったのですが、これはすぐ忘れてしまいそう。

単語は、登山に所は結構辞書を引いて、くじけそうになりました。そのあとの陰謀あたりは大丈夫でしたけど。

 

最後にタイトルの、恐怖より強い感情とは、勇気だけでなく、愛なのかな?